チタンとステンレスの違いとは?キャンプギアにはどちらがおすすめ?

キャンプギアによく使われる「チタン」と「ステンレス」。

「見た目が似ているし、どちらを選ぶべきかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

チタンとステンレスそれぞれの特徴、そして違いを「強度」「軽さ」「サビにくさ」「価格」「熱伝導率」、5つの視点から比べてみましょう。

軽いのに強い。サビにくい金属「チタン」

チタンは、元素記号 「Ti」で表される金属。軽い・強い・サビにくい、厳しい使用条件・環境にも対応できる、多彩なメリットを兼ね備えています。

主な種類は「純チタン」と「合金チタン」の2種類。「純チタン」は、不純物を微量しか含んでおらず、性質により「JIS1種」から「JIS4種」の4種類に分類されます。

一方、「合金チタン」はチタンに他の合金元素が加えられたもので、添加される元素の種類によって、強度や性能が変化します。

チタンの特徴

とにかく軽い。そして強い。

チタンは金属の中でも特に軽く、重さは銅の約50%、鉄の約60%。軽いのに強さは鉄の約2倍、アルミの3倍です。

サビにくく、人にも環境にも優しい金属

チタンは酸素との結合力が強く、表面に瞬時に酸化皮膜を形成することで、サビを防ぎます。この膜のおかげで、水に触れてもイオンが溶け出しにくく、素材の味を変えない、金属アレルギーを引き起こしにくいなどのメリットがあります。

特に、海水への耐食性はプラチナに匹敵するほどで、船や橋などにも用いられています。

サビやすい鉄に変わる金属として誕生した合金「ステンレス」

台所の流し台やスプーン・フォーク、包丁など、家庭でもよく見かけるステンレス。英語では「Stainless steel」と表記され、直訳すると「サビが少ない鉄鋼」という意味です。

主成分の鉄に、クロム(Cr)やニッケル(Ni)を混ぜ合わせ、耐食性や強度を向上させた合金で、サビやすい鉄に代わる金属として誕生しました。

ステンレスの特徴

サビにくい

鉄は酸素が結びつくことで、サビが発生します。

ステンレスは、サビやすい鉄にクロムを混ぜることで、サビの発生を防ぎます。なぜなら、鉄よりも前にクロムが酸化して、表面に目に見えないほど薄い不動態皮膜を形成してくれるからです。

保温・保冷性に優れている

ステンレスは水筒やタンブラーにも多く使われています。なぜなら、ステンレスは保冷や保温に優れているからです。

時間が経っても冷たさや温かさを保てるのは、ステンレスの大きなメリットです。

「チタン」と「ステンレス」の違いとは?!

チタンもステンレスも強度や耐食性に優れています。では、この2つの違いは何なのでしょうか。「強度」「軽さ」「サビにくさ」「価格」「熱伝導率」、5つの違いを比べてみましょう。

強度

チタンもステンレスもどちらも高強度。しかし、比重に対する強度は、チタンが勝っています。そのため、チタン製品はステンレス製品よりも薄く作ることが可能で、「薄くて軽いのに、強い」といった、アウトドア製品にとって重要な要素を持ち合わせています。

軽さ

チタンの重さはステンレスの約60%

登山や旅行など、極力荷物を軽くしたい時には、チタンが最適です。

サビにくさ

チタンとステンレスはどちらもサビにくい金属です。しかし、海水や汗など、塩化物イオンに対する耐性はチタンの方が優れています。そのため、海辺での使用や汗ばむ季節は、チタン製品の方が耐食性を発揮できます。

チタンならどんな場所でも、サビや金属アレルギーを気にせずに、安心して使うことができます。

価格

チタンはステンレスと比べると、重量比で約10倍近い価格です

なぜなら、チタンの加工は非常に難しく、技術が必要だからです。しかし、高強度でサビにくいチタン製品は、大切に使うことで一生モノのギアとして愛用できます。そのため、長い目で見れば経済的な金属とも言えるでしょう。

熱伝導率

チタンとステンレス、どちらも熱伝導率は低いです。

しかし、強度の高いチタンは薄く作ることができるので、それぞれの製品でお湯を沸かした場合、チタンはステンレスの約6割の熱量で温度を上昇させることができます。

つまり、チタン製品は熱伝導率が低いわりに温まりやすく、ステンレス製品よりもお湯を早く沸かすことができるのです。また、お湯や熱に触れていない部分は高温になりにくいのもメリットです。直接口に触れるマグやシェラカップも、チタン製なら持ち手や飲み口が熱くなりにくく、温かい食事や飲み物でも安心して味わうことができます。

また、チタンもステンレスも熱伝導率が低いが故に、保温性や保冷性に優れているのも嬉しいポイントです。

価格で選ぶならステンレス。軽さ・耐食性で選ぶならチタン

キャンパーにとって身近な金属、チタンとステンレス。

それぞれの金属の特徴を知ることで、最適なギア選び、そしてより快適なアウトドア時間を過ごすことができます。

価格で選ぶのか、軽さで選ぶのか、どんな場面で使うのか、必要とする条件を洗い出した上で、お気に入りのキャンプギアに出会えたら良いですね。

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参考:一般社団法人日本チタン協会ステンレス協会